活動報告

新年あけましておめでとうございます。

本年のNHK大河ドラマは、「青天を衝け」という題名で、「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一さんが主人公として取り上げられます。昨年、『論語と算盤』という渋沢さんの本を読み、大変感銘を受けましたので、このドラマの放映をとても楽しみにしております。

このドラマは、幕末から明治期にかけての激変の時代の話になりますが、あの時代、長らく鎖国をしていた中で、黒船という未知の脅威が突如現れ、その危機にどう対応したらいいか、危機への対応だけではなく、今後の方向性はどうしていくべきかなど、想像を絶する大変な騒動であったことだろうと想像します。そして結果的には、それまでの体制が完全に変わってしまう革命を経て、国の根幹をなす憲法やら法律やら通貨やら暦やら何やらと、ここまで変えるのかといった変革が行われ、その様な中での新たな生活様式への対応たるや、当時の国民の方々は、本当に大変だっただろうなと想像します。

こうした激変期の中において、三十代であった渋沢さんは、経済力が乏しかった当時の日本を憂い、名実ともに地位を築いていた官僚の世界から、「実業の世界で国を興す」との志を持たれ、その際の指針とされたのが二千年以上前から残る中国古典の『論語』でありました。周りからは賤しいと思われていた商いを行う上で、商売の才覚だけではなく、道徳的な精神性を大事にされ、時代を超えて語り継がれてきた教えを心の拠り所とされたのです。そしてそれからの四十年あまりで、四百社以上の会社の設立に関わったという信じられないような功績を残されました。

本年、私たちは「今を生きる」というスローガンを掲げ、今というこの「時」を、如何に 捉えて、如何に使って、如何に過ごすかという自分自身の生き方を改めて考える一年にしたいと思っております。その上で大事なことは、「今」という現実を受け入れ、「過去」という歴史を顧みて、「未来」という可能性を見据えていくことだと考えております。

三十代の会員を中心として、二十代の会員も含めて三十六名の人数で、本年を始動致します。先人達が与えてくださり残してくださった恩恵に感謝し、今というこの「時」を生きる仲間達と共に、学びの機会を大切に、希望を持って活動して参ります。本年もどうぞよろしくお願い致します。

第三十七代部会長 原 真