活動報告

 6月28日、29日の2日間、沖縄の地にて研修事業を実施いたしました。伝統的な文化が根付いていた中でも新たな供養形態が取り入れられてきている沖縄の今を見学することで、時流を捉えた新たな知見を得、変化に負けない業界の潮流を石材部会から創出していくことを目的とし、この度沖縄での研修事業実施となりました。

 6月28日、全国から30名に及ぶJC石材部会員と関係者の皆様にお集まりいただきました。まず初めに(一社)沖縄海洋墓標会様が手がけるさんご葬の見学、体験を行海中で溶解するサンゴの漆喰で制作した「海洋墓標エルカ(意匠登録済)」に粉骨したご遺骨を収め海へ葬送するさんご葬について、代表理事を務める金城毅様をはじめ沖縄海洋墓標会の皆様から、さんご葬を始められた思いについてお話いただきました。

 その後、(合資)沖縄関ケ原石材様の展示場にて営業部部長、屋嘉部孝幸様ご案内のもと、沖縄式墓の内部構造を見学させていただきました。人ひとりが十分入ることのできる沖縄式墓について、普段携わるお墓との違いを参加者それぞれが熱心に見学していました。

 翌6月29日、まずは沖縄初となる大規模室内型納骨堂である琉球御廟を見学しました。管理・運営を行う株式会社霊園・墓石のヤシロ、八城博保様よりご案内いただき、建設までの流れ、沖縄の墓石を取り巻く環境の変化についてご教授いただきました。

 続いて世界文化遺産にも認定された玉陵(たまうどぅん)、そして2019年10月31日に火災により焼失し復興の途中にある首里城を見学した後に墓地へ移動、前日もお世話になった沖縄関ケ原石材、屋嘉部部長アテンドのもと現役で使用されている沖縄式墓(亀甲墓)を見学しました。見学した亀甲墓は沖縄でも大規模なもので、参加者の皆様は熱心に見て回っておられました。

 亀甲墓の見学の後、株式会社大西石材沖縄様が販売代行をされている霊園、清ら結(ちゅらゆい)を見学させていただきました。現地にはJC石材部会の先輩でもあり、大西石材工業株式会社代表取締役、大西康夫様自らお越しいただき、清ら結開園に至るまでの経緯についてお話くださいました。

 一行は最後に平和祈念公園へ、参加者それぞれが、各県が建立した慰霊塔のある摩文仁の丘や平和の礎を訪れ見学を行い、今回の研修事業は終了となりました。

 今回の国内研修事業では、新型コロナウイルス感染防止策を取った上で懇親会も開催させていただきました。対面での事業も減少した昨今において、現役会員、特別会員ともに親睦を図ることができました。当初は参加者が集まるか心配しておりましたが、おかげさまで多くの方に参加いただき、研修終了後には「良かったよ」という暖かい言葉も多くかけていただきました。今回の事業を通じ、事業目的である我々石材人が携わる分野において変化に負けない新たなうねりを参加者に提供できたと自負しております。今回国内研修事業にご参加、ご協力いただきました皆様にはこの場を借りて感謝申し上げます。今回の研修事業を通じ再認識した石材部会の結束のもと、次の事業もご期待くださいますようよろしくお願いいたします。